測度論や確率論を学ぶモチベーション

何かを選ぶということ

我々は集合SSを常に持っているとし,完全にランダムにこの元を選ぶことができるとする.
そして,

  1. 選択肢の集合XXに出会う.
  2. XXの中から一つ選ぶ

というプロセスを考える.
我々は選択肢に出会った瞬間,関数ξ:S→X\xi: S \rightarrow Xを定義し,乱数s∈Ss \in Sを発生させ,x=ξ(s)x = \xi(s)を選ぶ.

では,関数ξ\xiの性質を考えよう.
XXの中に「絶対に選びたくない」ものが ある場合もあるだろう.この場合,ξ\xiは全射にならない.完全にランダムに選ぶなら,ξ\xiは単射である.それをしないならば,ξ\xiは単射にならない.

次に,ξ−1(x)={s∈S∣ξ(s)=x}\xi^{-1}(x) = \{s \in S | \xi(s) = x\}というものを考えよう.この集合のサイズが大きければ,選ばれる可能性が高そうである.では,集合のサイズを測る関数μ\muを用意しよう.μ:2S→[0,∞)\mu: 2^S \rightarrow [0, \infty)とする.ここで,2S2^Sは冪集合,つまり,SSの部分集合の集合である.値域を[0,∞)[0, \infty)としたのは,大きさがマイナスというのは直感的によくわからないし,大きさが無限大というのもどういうことなのかわからないからである.以上を踏まえて,μ(ξ−1(x))\mu(\xi^{-1}(x))を,xxが選ばれる可能性と呼ぼう.

上では,XXの中から一つ選ぶことを考えたが,実際には複数個選ぶ場合もあるだろう.つまり,2X2^Xの中からAAを選ぶことになる.同様の流れになるが,ξ−1(A)={s∈S∣ξ(s)∈A}\xi^{-1}(A) = \{s \in S | \xi(s) \in A\}を考えて,μ\muを定義する.そして,μ(ξ−1(A))\mu(\xi^{-1}(A))を,AAが選ばれる可能性と呼ぼう.複数個選ぶというのは,一つを選ぶことを含むので,これからは複数個選ぶ場合を考える.

ここで,何か不思議なことに気づく.選択肢を選ぶ可能性の 高さの話が,集合のサイズを測る話になっている.ここまできてしまえば,集合のサイズを測る学問の知識が使えそうである.続きはまた次回.

Written with StackEdit.

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